2020年04月11日
白昼夢の青写真 体験版 感想
メーカー:Laplacian (ニュートンと林檎の樹、未来ラジオと人口鳩)
原画:霜降 , ぺれっと(玉兎B)
シナリオ:緒乃ワサビ
ストーリー:
人類は同じ夢を見るようになった。
ある晩は、女生徒と教師の不倫の物語であり――
ある晩は、劇作家と女優の身分を超えた恋物語――
またある晩は、不登校の少年と教育実習生の淡い初恋――
三種類の夢を、人類は繰り返し見るようになった。
何故、全人類が同じ夢を見つづけるのか。
これは、世界と呼ばれた一人の少女の物語。
今回はいくつか違う話がまとめられたオムニバス形式とのこと。
因みにシナリオボリュームは2MBくらいあるそう。
ここの作品は大体ボリューム薄いイメージしかないからちょっと期待。
以下、内容雑感。
CASE1
時は現代。
主人公は40代の国語の非常勤講師。以前は小説家を志したこともあった。
誰にも知られることなく淡々と黒板に同じことを板書し続ける。
ゼミの教授が亡くなり、その葬式で、少女と出会う。
彼女は波多野秋房の娘だった。
雰囲気はよさげ。
ヒロインを通じて小説を書き始めるようになり、恋に落ちていく感じ。
エロゲっていうか、小説にありそうな題材。それもどっちかっていうと一般寄りの。
主人公の境遇にものすごい悲哀を感じる……。
CASE2
時は中世ヨーロッパ。
主人公ウィル(おそらくシェイクスピア)は作家であり、父と居酒屋を営みながらつつましく暮らしている。
そんな時、ウィルの父が病で床に伏せるようになりウィルは金のためにスペンサー家へ。
そこで高級肉と称される鹿を見て、盗みに入ろうとするも失敗。
殺されそうになるものの、オリヴィアに生かす価値はあると命を救われ奴隷となる。
そこから書く機械として、座に入る。
そして、同じ作家であるマーロウと対決することに。
そんな中、友人がマーロウに売られたことに義憤に駆られ、絶対に倒すと決意する。
ノータイムビンタ5連打はくすっときた。
シリアスな話がほとんどなので、ここはちょっと退屈かも。後半にならないとギャグもない。
CASE3
未来ラジオの世界観そのまんまで、登場人物が不登校児の高校生・飴井カンナ。
今は亡きカメラマンだった母の後を追うように努力しているところに、教育実習の先生がやってくる。
カメラマンを目指したいから学校行く暇などないと豪語して父と喧嘩してしまう。
そんな中、ガレージに母が遺したハチマルを動かすべく修理依頼すると自称整備士の姉ちゃんが来て、そこから紆余曲折ありそこで暮らすことに。
そして元キャバ嬢の先生が、カンナ君に照らされて、自分らしさを取り戻すまでの過程が描かれる。
ここは割とわちゃわちゃしてて楽しかった。
こういう秘密基地で頑張るぞ的なノリ好き。
一番ほのぼのパート多くて楽しかった。
//??
夢の合間に挟まれる現実パート。幕間。
地下シェルターのような空間で実験させられている状態。主人公にほぼ記憶はない。
この場所について
・地上はもう住めなくなっている。
・主人公は記憶を消去されて、夢を見ている状態。それを何度もやらされている。
・3つの夢を見終わると、役目終了。
最終目標は世凪の自我を夢を介して取り戻すこと。
//
CASEは0~3の4つあるっぽい。0は恐らく幕間のことかな?
進行順はそれぞれのCASEをちょっとずつ並行して進んでいく感じ。
順番はCASE2→3→1。最初はシェイクスピア。その後、カンナ。最後におっさん。追記:どうやらランダムらしい
ヒロインは個々のストーリーが全部関連あるからか、白髪赤目のアルビノみたいな女の子で統一されてる。
それぞれのCASEに他の女もいるしそこと絡みはありそうだけど空気になりそう。
てかCASE1の最後に強姦っぽい描写あったんだが……。度肝抜かれたわ
感想
プレイ時間:4~5h
世界観・設定等はきっちり構築されている。
でもCASE3は完全に前作の設定のところまんまだから、物足りなさを感じてしまう。
シリアスが多く、ギャグはかなり減らされてるっぽい。
ここのギャグ大体下ネタばっかで、しかもワンパターンで寒かったから個人的にはプラス。
文体はめちゃくちゃ軽く、淡白。
3つ前の文章を忘れてしまうくらいにさらりと抜け落ちていく。
ここのメーカーは何だか他と比べてもその傾向が強く感じる。
文体が教科書チックで綺麗すぎるから……?
個人的に好きなのはCASE3。
1と2は基本的に話が暗いものが多い。
いや、話はどれも暗いんだけど、どうしようもない暗さが1と2にはあるような気がする。
(1は40で既婚の虚無感、2は中世の厳しい規範)
シナリオ2MBらしいが、幕間パートは同じ文章が使い回されてる模様。それも結構な量あるかと。
SF好きな人にはオススメ。
前作みたいな設定・世界観全振りで尻下がりみたいな感じにならないことを祈る。
ryushlol at 21:58│Comments(0)