さくらの雲*スカアレットの恋 感想夜明け前より瑠璃色な。 感想

2020年09月29日

白昼夢の青写真 感想

 

 SFxセカイ系。

 久々に文章を読んだって感じがするゲームだった。

 設定や伏線などはしっかりしてて面白かったが、疲れた。


ao 12





結構難解だったので、まだ理解が追いついてないところがあるがざっぱに書く。


分岐なしの1本道。前半のCASE1~3はランダム。



キャラクター


海斗:主人公→HSAM(完全記憶能力)持ち。一度覚えたことは忘れない。

世凪:ヒロイン→自分の描いたイメージを相手と共有できる能力持ち。しかし、その疑似世界では本人からしかしゃべれない。


そんな2人を起点に、シェルター空間で暮らすことになった人類が仮想空間へ移住する話。




CASE1


先生と生徒のお話。

レイプ紛いのことして、離婚とか生々しい場面があったりエロゲには中々ないシーンは斬新。

後は憧れてた作家の狂気を自分も共感していた部分とか。鬱系の小説読んでる気分だった。

ヒロインとの関係性はなんだろう……。どっちも子どもっぽいところがあるかんじっていえばいいのか。

本屋のイベントで奥さんにあてつけするシーンとかで、ヒロインが負けず嫌いで~とかいうけど、感情の流れとでもいえばいいのか、そのあたりがちょっと突飛すぎてついていけなかった部分もある。



CASE2


ウィリアム・シェイクスピアの舞台のお話。

舞台をやるためにいたが、独立するためスペンサーの支援を切られる。

そして宮廷演目を目指すために稽古特訓。宮廷演目を目指すために奮闘する姿がいい。

後はオリヴィアが奴隷を道具としてしか見ていないところから、ウィルに諭されてしっかりと人と向き合っていく姿とか。




CASE3


カメラマンを目指す少年のお話。

体験版の後は、母の思い出の場所を捜しにキャンプしにいくだけなんだけど、青臭さがあってよかった。

互いに夢を追いかけていく関係性もよかった。

主人公の別れの場面の寂しさとかもわかるだけに心苦しい。


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この辺は体験版の方でも描いた通りなので割愛。

ボリュームは並。


CASE0


真実が明かされるパート。ここが全て。


現在地上には出られず、シェルター内で人類は暮らしているという設定。
地上に出ると、紫外線で悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がただれる病になって死ぬため。

人類がどうして同じ夢を見るようになったのか。
ああいった経緯が描かれる。


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因みにCASE1~3の主人公やヒロインは全て世凪が描いた創作の話。
世凪を取り戻すために、海斗が創作の中にダイブしている。

それぞれの登場人物には海斗や世凪のパーソナリティの一部分が継承されて描かれている。
(CASE2の主人公ウィルがHSAM持ってて、奥手だったり、CASE1のヒロイン・波多野凛の親嫌いなど)

海斗→それぞれの主人公

世凪→それぞれのヒロイン

出雲→それぞれいたお助けサポートキャラ(梓姫さんとか)(世凪の自我から弾かれないように)


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◯ 気になったところ。


CASE1,2,3のラストが、どれも微妙。


序盤、中盤はどのケースも面白くワクワクさせてくれて続きが気になるのだが、ラストのオチが……あまりにもひどい。
尺をもうちょっとつけて、ドラマ作って締めてほしかったな。


CASE1は余りにも何もなさすぎる。
ここはもうやっちゃいけないお家芸みたいなのを地でやった。
ヒロインが妊娠して、結婚する資格が云々言い始めて唐突に消え去るパターンのやつ。
妊娠発覚→逃亡→友人のちから借りて見つけてハッピーエンド。
30分足らずで終わる。あっさりしすぎ。
ヒロインの感情も分からなくはないが、行動原理が結構突飛なんよな。


CASE2は特にひどい。
舞台のために役者たちが牢屋入れられたり、それでオリヴィア再び身請けさせられたりと色々とドラマ作っといてさぁ……。
しかも情事交わした後、オリヴィアが最後の別れの時を惜しんで涙流してんだぜ? 
その続きが、実は海外は重婚禁止でした~。スペンサーに捨てられオリヴィアグッバイ‼ は余りにもあっけなさすぎる。もう一山あってもよかった。


CASE3が一番まとも。
ここは終わり方が「互いに頑張ろうね」みたいな風に閉められてたから、エピローグ的な扱いで納得。
ここだけエロシーンが2つ入ってる。


総合してみると、満足行く出来ではない。
もしかして世凪ちゃん、最後ぶん投げタイプ? それとも書いてる途中で記憶飛びましたか?



CASE0の世界観(シェルター間の格差)が伝わってこない。


主人公が「下層はクソ!!!」とかほざいてる割には、全然そのつらそうな雰囲気が伝わってこない。
労働したら飯ちゃんともらえるし、下層民でも学校で授業を受けようと思えば受けられる。何なら図書館も使える。
いや、十分じゃね?

世凪(下層派)と中層に行くことになって揉めるシーンでも、主人公サイドに感情移入全然できなかった。

こういった格差のコロニーが書かれたエロゲーだと、穢翼のユースティアとかISLAND等がある。
物乞い、奴隷、盗賊、宗教。こういった格差社会には鉄板的な要素が書かれてない。
ジャンルが科学SFでお門違いだと言う人もいるかもしれないが、だったらこの格差要素いらなくないか???

主人公の母親が病気で亡くなった原因を格差社会に向けたかったんだろうとは思うけど……。あんまりうまくいってないように見える。

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文体について

これはもうほとんど好みの領域だとは思うが、このメーカーの文体が苦手だ。
読みにくいというわけではない。
変に長くもないし、冗長でもないと思う。
でも、味がない。
ライターによって癖が出るのがテキストの部分だと思っているのだが、無機的に感じてしまう。

ここのキャラクターの感情動作は「微笑む」と「頷く」しかないのか? ってくらい地の文のパターンがすくない。
1分で3回くらい「おれはうなずきを返す。」って文見たぞ。
流石にそれはどうなんだ・・・。


aojasin 25


 こういうのが割と散見されて、集中できなかった。


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 遊馬の話は物語の根幹に必要なのはわかるが、ながくてだれた。
 もうちょっと端折ってほしかった。


 
 感想:


筋は通っているし、結末までしっかり書いてあるので、そのあたりはきちんと評価したい。
さくらの雲みたいに、ミスリードとかそういった面での驚きは言うほどなかった。
過程が丁寧で、関係性が綺麗。
CASE0とかは特に。

専門的な知識が多く、相当なSF好きでないと厳しいといった面も見られる。(しかも王道のタイムスリップ系とかではない)
論文とか読むのが好きな人は恐らくいけると思う。
小難しいのが苦手な人には向いてない。




 85点。

 ニュートンとか未来ラジオがあまりにも設定だけな感あったので相対的に評価上がってる感じはあるが、頑張った部分は評価すべきだと思う。

 レビューサイトでも85は超えてくるだろう。


 CG118枚。ムービーが9つ。普通のフルプラが80前後? だと考えるとかなり多い。(一部CGがなんか荒いが・・・)

 
 








 


ryushlol at 19:40│Comments(0)

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